熱かった2016年シーズンもクライマックスシリーズが終了した段階です。これから本格的なオフシーズンに入ります。2017年はWBCも控えており強化試合等も予定されていてまだ野球を楽しむことができるとは言え、早くも来年が待ち遠しいというのはファン共通かもしれません。
プロ野球の2017年シーズンの開幕は3月31日の金曜日となっています。各球団の開幕戦を今ある情報で予想していくシリーズ。今回は球団史上初のクライマックスシリーズ進出を遂げた横浜DeNAベイスターズです。
- 開幕投手
- 開幕ローテーション
- 開幕スタメン
- リリーフ
- ホーム開幕戦情報
このあたりを入退団・ドラフト・FA・外国人補強の情報などを加味しながら、開幕戦について予想していきたいと思います。
※文中昨シーズンは2016年、今シーズンは2017年の意で記述しています。
横浜DeNAベイスターズ 2017年 開幕予想
昨シーズンはチームOBであるアレックス・ラミレスを新監督に据えて初のシーズンでした。4月の逆噴射にどうなることか、中畑監督の遺産が終了と嘆いたファンも多かったですが、終わってみればセリーグ3位とついに悲願のCS進出を果たしました。2017年は優勝を争うことが期待されます。
開幕投手
- 井納翔一 投手
昨年はキャンプの開始前からラミレス監督が開幕投手は山口俊であると明言してきました。しかし直前の捻挫により、井納が代役を務めることになり見事な勝利で幕を開けました。 シーズンは7勝11敗とエース格と連続して当たることもあり勝ち星には恵まれませんでしたが、しっかりと仕事したと思います。
追記:悲報。山口俊がFAで移籍してしまいました。
何よりクライマックスシリーズ2戦の好投です。ファーストステージではここでも山口俊に変わり初戦勝利を飾り、ファイナルステージでは広島東洋カープの一方的な流れを断ち切る7回無失点の好投。大事なゲームでは仕事をするその力投はエースと呼ぶにふさわしい。
現時点では山口俊のFA動向が不明なこともありますが、それを踏まえずとも大舞台で大きな活躍をする井納の力に期待ということで決めました。2年連続の開幕投手として勝利をもたらして欲しいと思います。
ただ山口俊がFA宣言を経ても残留となれば開幕を務めることも想定されます。昨シーズンは5完投3完封と言う脅威的な数字を残しました。特有の不安定さも減り信頼度が非常に高い。開幕、オールスター、CSと怪我に泣き井納に託す形となりましたが、実力的には山口俊がつとめてもなんら異論はありません。
ベイスターズファンとしての希望としてはシーズン通して万全な状態の山口俊をもう1シーズン観たい。今後の山口俊投手の動向は非常に注目です。
<参考> 近年の開幕投手
2011 山本
2012 高崎
2013 藤井
2014 三嶋
2015 久保
2016 井納
開幕投手が年ごとに変わる安定しない球団ではあります。久しぶりの2年連続開幕投手となるかにも注目しています。
開幕ローテーション 6人
引き続き開幕ローテーションについて。山口俊がチームに残る前提はそのままです。昨年は開幕からしばらくは先発投手陣がかなり安定していました。打線が奮わずに負けがつく場面も目立ちました。数年前に比べると格段に先発投手は揃っています。競争が激しくチャンスが少ない状況です。
- 井納翔一
- 石田健大
- 今永昇太
- 久保康友
- 三嶋一輝
- スペンサー・パットン
井納山口石田はとくに大きなアクシデントが無ければ確定です。開幕投手の座を争う二人と共に石田も十分に計算できるピッチャーとして一年を通して働きました。もう一人の左腕、今永昇太も一年目から期待を上回る活躍でした。 昨シーズンこの二人は100球、六回前後で降板する方針が明確でした。体力をつけてもう少し長い回投げて欲しい。
5,6番手が悩ましいところです。
まずはチーム内の大ベテランとして久保康友に食い込んで来て欲しい。ただ昨シーズン後半は奮わなかった。これまでも不調時はファームで調整して昇格すれば再び数試合は好投というタイプでしたが、この流れが崩れているのが気がかりです。ランナーが出た時のスーパークイックが武器ですが、近年はそこに付け込まれるシーンが目立ちます。どう改善されるにも期待です。
そして外国人先発ピッチャー枠。残留が決まる前提ですが、モスコーソを上げます。2015年の肉離れ以降球威が落ちているのが明白。ただ終盤では復活を見せていましたので期待。ジーモが退団となってしまう場合はザック・ペトリック(もしくは新外国人)となるでしょう。ペトリックはドーム球場では期待できる投手でもあります。コントロールが良いので見ていて安心できます。
→モスコーソ、ペトリックも退団です。山口も退団でローテーションは厳しいですね。代役は三嶋、新外国人のスペンサー・パットンとなります。
■ 次点
三嶋、砂田、ルーキーの濱口遥大も注目です。
開幕スタメン
- (中)桑原将志
- (右)梶谷隆幸
- (一)ロペス
- (左)筒香嘉智
- (三)宮﨑敏郎
- (遊)倉本寿彦
- (ニ)エリアン
- (捕)戸柱恭孝
- (投)井納翔一
※正直ここは捻りがありません。シーズン終盤のベストメンバーそのままですね(苦笑)前提としてエリアン・エレラは残留。変化があるとすれば新外国人の補強状況とキャンプ・オープン戦の結果次第です。
1番はセンターは桑原将志。昨年は乙坂関根の若手三羽烏の争いから一歩抜け出してレギュラーを勝ち取りました。ガッツ溢れるプレイで、二桁本塁打を放つパンチ力とかなり高い守備力が特徴です。
2番梶谷はラミレス監督がかねてから企んでいる超攻撃的オーダー。梶谷選手は昨年怪我の影響で出遅れましたが、その復帰がチーム躍進のきっかけであったと思います。筒香とともにベイスターズの飛車角である選手。CSの魂のこもったプレイも記憶に新しいです。
3番ロペス。夏場の不調を抜けるとCSを一気に決めるように打棒を爆発させました。好調時は試合が停滞、負けに傾きそうな時など欲しいところホームランを打ってくれます。相手からすると後ろ筒香がいるため勝負せざるを得ない。なにより守備面での貢献も大きい。ロペスでなければ取れなかったというシーンも多々ありました。
4番はもちろん筒香です。ベイスターズファンでも3年前まで筒香がこれほどの選手になるとは予測していなかったでしょう。今オフはWBCもあり、日本の4番としての活躍も期待です。 これ以上を望むのは酷ですが、目に見えて気負いすぎてるスイングをする時があるのでどう克服していくかも今シーズンの注目です。
打順や守備位置で悩むのが宮﨑敏郎です。堅実なバッティングは魅力ですが宮﨑が6番あたり打つくらいの方が良い。出塁して後ろの倉本が繋いでも足的に帰ってこれないという状況が目立ちました。守備はありし日のよそ見事件の印象が強いですが、まずまずだと思います。できればサードで固定できたらという思いもあります。
6番はショート倉本。シーズン終盤まで三割前後をキープして期待以上の結果を残しました。守備面の派手さは無いもののベイスターズのチーム比では随分堅実で安定していました。ただ現状は昨シーズンからの流れで倉本を上げますがまだ安泰とはいえないと思います。
7番セカンドでエリアン・エレラ。下位打線でも一人で得点出来る力があります。得点圏打率も高く勝負強い。バントの小技もできるし足も早い。守備は送球に不安があるものの非常にダイナミックで魅せるプレイをしてくれます。観ていて楽しい選手。 打率はそこまで高くないですが、キャンプからチームに合流してくれればもう少し結果を残せるはず。
キャッチャーは戸柱恭孝。高城、嶺井、黒羽根の3人体制時代を終焉させたのがこの人。ルーキーながら正捕手の座を掴みました。守備面、リード面での貢献もありますが、打撃にも期待しています。.226の数値以上に良いところで仕事をする印象です。
■ 次点
石川雄洋。肘の故障の影響もあり近年調子を落としています。ただ小技が必要な場面できっちり仕事をするなどまだまだ頼りになります。万全な状態で.270 くらい打つ状態が戻ればと期待しています。
白崎浩之。白崎は攻守ともに大事な場面に弱い印象です。プロ入りから12打席連続ソロホームランという記録。来シーズンこそはランナーのいる状況で・・・
セットアッパー、リリーフ投手
続いては勝ち継投。セットアッパー・リリーフについて整理していきます。
- 7回 田中健二朗
- 8回 三上朋也
- 9回 山崎康晃
- ※ 須田幸太
- ※ 砂田毅樹
勝ち継投については所々で乱れることがありましたが、結果としてはかなり安定していました。山崎康晃はルーキーイヤーに猛威を奮ったツーシームの見切られることが増えたが2年連続30セーブを達成。今シーズンが勝負の年になると思います。
特筆すべきは須田幸太です。ここぞという時に登板してすばらしいコントロールの直球を投げ込んでいく。肉離れの離脱がありながら3週間でクライマックスシリーズに戻ってきました。シーズンと変わらない投球は感動不可避でした。
そして砂田毅樹。昨シーズン序盤は先発として後半は中継ぎとして活躍しました。石田、今永との左腕先発争いにも参加して欲しいところですが、中継ぎ適正が非常に高い印象。ピンチに動じない気持ちの持ち主なので悩ましいところです。
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開幕戦 日程
2017年3月31日(金) 18:00
球場:神宮球場
東京ヤクルトスワローズ vs 横浜DeNAベイスターズ
開催権は2015年シーズンの順位で決定します。ベイスターズは6位のため開幕権は無しのビジターで。ホーム開幕カードは4月4日(火)、ハマスタにて読売ジャイアンツ3連戦。
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2017年 新戦力・新体制(ドラフト・コーチングスタッフ)
2016年10月27日 更新
■ 2016年ドラフト
- 1位 濵口 遥大投手
- 2位 水野 滉也 投手
- 3位 松尾 大河 内野手
- 4位 京山 将弥 投手
- 5位 細川 成也 外野手
- 6位 尾仲 祐哉 投手
- 7位 狩野 行寿 内野手
- 8位 進藤 拓也 投手
- 9位 佐野 恵太 内野手
- 育成1位 笠井 崇正 投手
2016年ドラフトでベイスターズは10人の選手を獲得しました。井納、三嶋、三上、石田、山崎、今永、倉本、戸柱もドラフトで加入後すぐに一軍で活躍しています。今シーズンもこの中から即戦力として活躍する選手たちが現れるでしょう。
■ 外国人
ロペス は早い段階で2017年の契約が決まりました。
10月28日そしてエリアン・エレラも残留です。これは嬉しい。
■ 新外国人
- アウディ・シリアコ内野手
早速の新戦力情報としてアウディ・シリアコ内野手の獲得が発表されました。独立リーグのBC石川でプレイして一定の成績を残しています。191センチ&103キロの巨漢で期待は大きい。開幕したドミニカウィンターリーグでもホームランを打っています。
2016年 横浜DeNAベイスターズ 新助っ人 アウディ・シリアコ 三塁手 ホームラン - YouTube
■ コーチングスタッフ
コーチングスタッフ。現時点では進藤達哉ヘッドコーチがフロント入りし代わりに青山道雄2軍総合兼外野守備走塁コーチがヘッドコーチを務めることが発表されています。青山氏はかの98年優勝時のコーチでもあり、ロッテ時代も日本一を支えるなど指導に定評のあるコーチです。(そしてイケメン)
■ 球団社長
5年間に渡って球団改革に辣腕を奮ってきた池田球団社長が退任され、岡村信悟氏が社長に就任しました。経営再建のプロである池田氏から官僚出身の岡村氏への交代はドラスティックとも言えます。
ここ数年ベイスターズの人気は高まっており、チケットが非常に取りにくい状態が続いています。喜ぶべきことなのですが一時代の「いつ行ってものんびり観戦できる」状況を知っている者からすると球場のキャパは増えて欲しい。長期的視点になりますが岡村社長へはこのあたりの仕事を期待したいです。
おわりに
ベイスターズの開幕予想をしていて一つ感じたことは三浦大輔が居ないということ。これまでどういう形であれ三浦抜きの状態を考えることが無かったため一抹の寂しさのようなものがありました。
昨シーズンの横浜DeNAベイスターズは飛躍の年でした。中畑監督時代に種を撒き、耕していたものがようやく花開き始めた。ただここからもう一歩上に上がるのは簡単ではないと思います。
補強やFAの動向次第はまだまだありそうですが、やはり核となるような新戦力の加入が必要かも知れません。