新しい本を手に取り、ページをめくりのめり込むワクワク感は他のコンテンツとは異なる面白さです。ときに物語の行く末にハマったり、活き活きと動くキャラクターを愛したり、作者の考えと自分の知恵比べになったり。時間を忘れて読むこともあれば、一日ふとした時間に少しずつ読み進めたり楽しみ方もいろいろです。
さて、今回は私がこれまでに読んできた小説の中でベスト40選を紹介します。ルールはシンプルに行きます。
- 古典から2010年の作品までオールタイムベスト
- 日本文学、海外文学問いません。
- ジャンルも問いません。ミステリー・ファンタジー・SFも全部入り。
- ラノベは別記事で紹介しようと考えています。
第一に自分が好きなもの、自分の心に残っているもの、誰かとこの物語について語り会いたいなという個人的な観点で選んでいます。自分の中での不朽の名作。
へぇ~、こんなんがあるのかー? と次読む本を選ぶ手助けになれば幸いです。「コレ読んだことある!」との同意、「アレが入ってない!」「この作者はコッチだろ!」みたいなツッコミもあるかと思います。その辺も楽しんでください。
2016年1月 更新
1 夜は短し歩けよ乙女 / 森見登美彦
「黒髪の乙女」にひそかに想いを寄せる「先輩」は、夜の先斗町に、下鴨神社の古本市に、大学の学園祭に、彼女の姿を追い求めた。けれど先輩の想いに気づかない彼女は、頻発する“偶然の出逢い”にも「奇遇ですねえ!」と言うばかり。
とっても可憐な女子をどこか振り回される形追いかける恋愛小説? ユーモラスな作品。個性的なキャラクターが沢山登場して京都の奥深い時間を歩いているような気になる。独特で古風な文体でお馴染みの森見登美彦さんだが慣れない言い回しが多いにも関わらず読みやすい。
2 夜と霧 / V.E フランクル
わたしたちは、おそらくこれまでのどの時代の人間も知らなかった「人間」を知った。では、この人間とはなにものか。人間とは、人間とはなにかをつねに決定する存在だ。人間とは、ガス室を発明した存在だ。しかし同時に、ガス室に入っても毅然として祈りのことばを口にする存在でもあるのだ
人間とはなにか?生きることは何か? 心理学者であるユダヤ人V.E.フランクルのナチスドイツ強制収容所化の生活を描いた私小説。本当に苛酷な状況下だからこそ見出された「生き残るための真理」 も繰り返し強調されている。 日々訪れる苛酷な現実に疲弊したときによく手にとって見る一冊である。
3 チルドレン / 伊坂幸太郎
「俺たちは奇跡を起こすんだ」独自の正義感を持ち、いつも周囲を自分のペースに引き込むが、なぜか憎めない男、陣内。彼を中心にして起こる不思議な事件の数々――。
日常に起こる不思議な事件、5つの物語が一つに繋がっていく面白さがある。伊坂作品は好きだけど、この作品は軽くて読みやすい。この作品に出てくる陣内という男が素敵すぎて憧れる。いそうでいない。
4 坂の上の雲 / 司馬遼太郎
維新で賊軍とされた伊予・松山に、三人の若者がいた。貧乏士族の長男で風呂焚きまでした信さん(後の秋山好古)、弟で札付きのガキ大将の淳さん(真之)、その竹馬の友で怖がりの升さん(正岡子規)である。
経営者などにファンも多い歴史小説の名作。明治という新しい時代の勢いそのものと三人の才人の確固たる意志。国を作ってきた人々の奮闘がとても引き込まれるシリーズ。
5 宮本輝 / 優駿
生れる仔馬が牡馬でありますように。風の申し子のように速く、嵐みたいに烈しく、名馬の天命をたずさえて生れますように……。若者の祈りに応(こた)えて、北海道の小さな牧場に、一頭のサラブレッドが誕生した。
サラブレッド、競馬会とを題材にした名作小説。作品の鍵となる馬のオラシオン(祈り)という名前が秀逸。関わる人々それぞれのドラマがとても面白い。
6 海と毒薬 / 遠藤周作
戦争末期の恐るべき出来事――九州の大学付属病院における米軍捕虜の生体解剖事件を小説化し、「日本人とはいかなる人間か」を追究する。
人体実験に参加した者は単なる異常者だったのか? 「異常な状況」に置かれたときに人間は(日本人は)どのような行動を取ってしまうのか。企業人として働く現代人としても多かれ少なかれ会社の命としてブラックな行動をすることもある。同じものなのかも知れないと考えされる作品。
7 ピエドラ川のほとりで私は泣いた / パウロ・コエーリョ
ピラールのもとに、ある日幼なじみの男性から手紙が届く。久々に再会した彼から愛を告白され戸惑うピラール。修道士でヒーラーでもある彼と旅するうちに、彼女は真実の愛を発見する。
パウロ・コエーリョはブラジルの作家である。真実の愛とはなにか? たとえどんな困難があろうとも支えていくことを選ぶ選択がとても潔いストレートな作品。
8 空飛ぶタイヤ / 池井戸潤
事故原因の革新に関わる衝撃の事実を知り、組織ぐるみのリコール隠しの疑いを抱いた赤松。だが、決定的な証拠がない。家族と社員を守るために、赤松はどうしても真実を証明しなければならないのだ――
半沢直樹(オレたち花のバブル組)、下町ロケットなど近年大好評の人気ドラマの原作者である池井戸潤。TVドラマで池井戸ファンになった人へ、本作も負けず劣らず面白いのでおすすめ。
9 罪と罰 / ドストエフスキー
貧困・孤独・狂気の渦巻く大都会のかたすみに、「理想的な」殺人をたくらむ青年が住んでいた。歩いて七百三十歩のアパートに住む金貸しの老女を、主人公ラスコーリニコフはなぜ殺さねばならないのか
罪と罰、何時の時代も愛されるドストエフスキーの名著。分厚い作品ではあるが、ある一面では瑞々しい青春小説として読みやすく出来ている。
10 明日の記憶 / 荻原浩
広告代理店営業部長の佐伯は、齢(よわい)五十にして若年性アルツハイマーと診断された。仕事では重要な案件を抱え、一人娘は結婚を間近に控えていた。
若年性アルツハイマー病。記憶が曖昧になってくる様子を刻々と描写してあり、リアルな重苦しさがある。ただ支える家族との絆が本筋でもある。自分だったらと想像せずにはいられない作品。
11 みちのくの人形たち / 深沢七郎
お産が近づくと屏風を借りにくる村人たち、両腕のない仏さまと人形――奇習と宿業の中に生の暗闇を描く
7つの短編が入っているがなかでも表題作が出来は秀逸。ある土地の慣習と謎がなんとも不気味で恐ろしいが、ノスタルジックな余韻の残る作品。
12 昭和新山 / 新田次郎
太平洋戦争末期に北海道、有珠岳の麓に突如として隆起した昭和新山。調査・報道を抑えた軍部の圧力をはねのけ、私財を投げうって、新山の成長を観察・記録した男の半生。
6つの作品を収録する短編集。噴火は国民の士気に関わるから公表されなかったというなんともな戦争末期の話。火山の生成の過程を学術的価値のあるものとして民間人が記録を続けた話。
13 架空列車 / 岡本学
他者との関係を作ることができず、会社も辞めた「僕」は、ひとり東北の町に逃げる。そこで「僕」は、架空の鉄道路線を妄想の中で造ることに熱中する
列車や地理の話が面白いが妄想にとりつかれた男の狂気も漂ってくる。あの「大災害」が起きた時に彼が生み出した鉄道はどうなるのか? なんとも言えない読後感が漂う作品
14 サクリファイス / 近藤史恵
陸上選手から自転車競技に転じた白石誓は、プロのロードレースチームに所属し、各地を転戦していた。そしてヨーロッパ遠征中、悲劇に遭遇する。ライバルたちとの駆け引き。かつての恋人との再会、胸に刻印された死。
自転車、ロードレースの小説。平易な文体でとても読みやすく自転車競技の世界を知ることができる。物語も不思議なミステリー要素があり話が面白く引きこまれていく。オススメ。
15 南極点のピアピア動画 / 野尻抱介
大学院生・蓮見省一の夢は、彗星が月面に衝突した瞬間に潰え、恋人の奈美までが彼のもとを去った。省一はただ、奈美への愛をボーカロイドの小隅レイに歌わせ、ピアピア動画にアップロードするしかなかった。
ピアピア動画というのは隠すまでもなくニコニコ動画のこと。ボーカロイドは初音ミク。このような現在進行形のカルチャーを題材にしつつも、しっかり壮大なSF作品として収束するのが秀逸。
16 64(ロクヨン)/ 横山秀夫
元刑事で一人娘が失踪中のD県警広報官・三上義信。記者クラブと匿名問題で揉める中、“昭和64年”に起きたD県警史上最悪の翔子ちゃん誘拐殺人事件への警察庁長官視察が決定する。
6大作警察小説。未解決事件を軸に警察内部の問題、隠匿体質やキャリア、ノンキャリアの確執、マスコミ問題などを絡ませた濃いストーリー。三上と松岡の戦う姿がとても熱く面白い。おすすめ。
17 旅のラゴス / 筒井康隆
北から南へ、そして南から北へ。突然高度な文明を失った代償として、人びとが超能力を獲得しだした「この世界」で、ひたすら旅を続ける男ラゴス。
ラゴスは何のために旅をするのか? 最近話題に上がることが多い本作。読み始めると文明観や人生観を隣に置きながらラゴスと一緒にゆったりとした旅に出ているような、壮大な気持ちなる作品。是非。
18 ライ麦畑でつかまえて / J.D.サリンジャー
おとなの儀礼的な処世術やまやかしに反発し、虚栄と悪の華に飾られた巨大な人工都市ニューヨークの街を、たったひとりでさまよいつづける16歳の少年の目に映じたものは何か?
自分も主人公のホールデンだったのではないか?少年から大人へになるあのころ葛藤がよみがえってくる名作。最初は忘れてるけど、彼のもつ根本的な寂しさに気づくとき大きなカタルシスがあった。
19 オン・ザ・ロード / ケルアック
安住に否を突きつけ、自由を夢見て終わらない旅に向かう若者たち。ビート・ジェネレーションの誕生を告げ、その後のあらゆる文化に決定的な影響を与えつづけた不滅の青春の書
ビート・ジェネレーションは騙され疲れきった世代。ひょっとして現代の我々にもあてはまるのではないか? 自由を求め人生を謳歌することを求める姿がバチッとささる。
20 半島を出よ / 村上龍
二〇一一年春、九人の北朝鮮の武装コマンドが、開幕ゲーム中の福岡ドームを占拠した。さらに二時間後に、約五百名の特殊部隊が来襲し、市中心部を制圧。彼らは北朝鮮の「反乱軍」を名乗った。
リアリティのある作品。政治色が強く登場人物や情勢、組織なども現実に近い。情報量が多いけど、本筋は一本しっかりしており読み終わったときはとても面白かった!という感想を得た。
21 すべてがFになる / 森博嗣
外界との交流を拒んで孤島の研究施設に閉じこもった天才工学博士、真賀田四季。教え子の西之園萌絵とともに、島を訪ねたN大学工学部助教授、犀川創平は一週間、外部との交信を断っていた博士の部屋に入ろうとした。
作家森博嗣のデビュー作。ドラマ化はあれだったがアニメ化はなかなか良く出来ていた。真賀田四季の天才性の描き方がとても面白いミステリーの傑作。萌絵と犀川の微妙な距離感での掛け合いも良い。
すべてがFになる THE PERFECT INSIDER S&M
- 作者: 森博嗣
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22 コズミックゼロ / 清涼院流水
一人一人が特殊な能力を持つ7人組「セブンス」は、リーダー・タクトの指揮のもと、日本中の人間という人間を消していく。一体、どんな方法で?
とにかく新しいパニック・サスペンスもの!
23 砂の女 / 安部公房
砂丘へ昆虫採集に出かけた男が、砂穴の底に埋もれていく一軒家に閉じ込められる。考えつく限りの方法で脱出を試みる男。家を守るために、男を穴の中にひきとめておこうとする女。
男は謎の部落から脱出することが出来るのか? サスペンスな展開で男が最後に取る選択がとても印象的な世界的名作。時代問わず砂穴の暗喩について考えされる。
24 わたしを離さないで / カズオ・イシグロ,
優秀な介護人キャシー・Hは「提供者」と呼ばれる人々の世話をしている。生まれ育った施設へールシャムの親友トミーやルースも「提供者」だった。キャシーは施設での奇妙な日々に思いをめぐらす。彼女の回想はヘールシャムの残酷な真実を明かしていく。
クローンというタブーが題材になっているが「生きるとは何か」を描いた名作。2016年にドラマ化もされている。細部まで丁寧に描かれ、じっくり引き込まれる名作。オススメ。
25 夜のピクニック / 恩田陸
高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。それは全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、北高の伝統行事だった。甲田貴子は密かな誓いを胸に抱いて歩行祭にのぞんだ。
あらすじは高校生が夜歩く。この通りの作品である。作品全体の雰囲気がとても良い。とにかく読んで欲しい間違いなく面白い作品。
26 潮騒 / 三島由紀夫
文明から孤絶した、海青い南の小島――潮騒と磯の香りと明るい太陽の下に、海神の恩寵あつい若くたくましい漁夫と、美しい乙女が奏でる清純で官能的な恋の牧歌。
文豪三島由紀夫の作品だが、本作はとてもシンプルな構造の恋愛讃歌。孤島での島でのくらし、自然そのものと言って良いロケーションで育まれる二人の恋。とてもストレートで美しい。
27 蝉しぐれ / 藤沢周平
清流とゆたかな木立にかこまれた城下組屋敷。普請組跡とり牧文四郎は剣の修業に余念ない。淡い恋、友情、そして非運と忍苦。苛烈な運命に翻弄されつつ成長してゆく少年藩士の姿を、精気溢れる文章で描きだす待望久しい長篇傑作!
時代小説の名作。物語世界にずっといるような読後感を味わっていた。物語のテンポがが良く入り込みやすい。
28 青年は荒野をめざす / 五木寛之
ジャズ・ミュージシャンを目指す二十歳のジュンは、ナホトカに向かう船に乗った。モスクワ、ヘルシンキ、パリ、マドリッド…。時代の重さに苛立ちながら、音楽とセックスに浸る若者たちの行く先は?
将来なんてどうなるか分からないけど、荒野を目指せるのは青年だけ。その欲に従った先にはなにかがあるのか?読みやすい文体に次々に起こるめちゃくちゃエピソードでグイグイ引き込まれていく。
29 何者 / 朝井リョウ
就職活動を目前に控えた拓人は、同居人・光太郎の引退ライブに足を運んだ。光太郎と別れた瑞月も来ると知っていたから――。瑞月の留学仲間・理香が拓人たちと同じアパートに住んでいるとわかり、理香と同棲中の隆良を交えた5人は就活対策として集まるようになる。
これは本当に面白い。SNSでリア充アピールとか就活面接だとか。どこかで体験したもしくは現在進行形の問題が出てくる。自分が優位だと思いたい自意識にムズムズするけど最後に救いがある。傑作。
30 麻雀放浪記 / 阿佐田哲也
終戦後まもない昭和二十年十月、東京。坊や哲(哲也)の物語はここから始まる――。職にあぶれ街をさまよう哲は、麻雀の主のような男出目徳に出会い、徐々に技(イカサマ)を駆使した高レートの麻雀に惹かれていく。
戦後の混乱の中で博打を打って生きていく人間のドラマ。展開や博打の考え方がとても素晴らしくヒリヒリする。戦後間もない時期はめちゃくちゃだが自由を感じる。
31 起終点駅(ターミナル) / 桜木紫乃
鷲田完治が道東の釧路で法律事務所を開いてから三十年が経った。国選の弁護だけを引き受ける鷲田にとって、釧路地方裁判所刑事法廷、椎名敦子三十歳の覚醒剤使用事件は、九月に入って最初の仕事だった。
2015年に映画化もされた作品。どこを切り取っても北海道というか、地方独特の閉塞感を感じる。人生を諦めるのか?それとも必死に生きるのか? 考えされる作品。
32 MOMENT / 本多孝好
死ぬ前にひとつ願いが叶うとしたら……。病院でバイトをする大学生の「僕」。ある末期患者の願いを叶えた事から、彼の元には患者たちの最後の願いが寄せられるようになる。
余命が判った場合は人はどのような反応を示すのだろうか? 願いを叶えることは良い結果に繋がるのだろうか? 安楽死というテーマも絡むけど瑞々しい文体で読ませてくる面白い作品。
33 掟上今日子の備忘録 忘却探偵 / 西尾維新
掟上今日子――またの名を、忘却探偵。すべてを一日で忘れてしまう彼女は、事件を(ほぼ)即日解決!あらゆる事件に巻き込まれ、常に犯人として疑われてしまう不遇の青年・隠館厄介(かくしだてやくすけ)は今日も叫ぶ。
西尾作品は好みが別れる。苦手な人も多いけど本作はマイルドになっていて読みやすい。忘却探偵という設定に注目があつまるがミステリーとしても良い出来。ガッキーでドラマ化もされたが原作シリーズも面白いのでオススメ。
34 不毛地帯 / 山崎豊子
拷問、飢餓、強制労働――11年に及ぶ地獄のシベリア抑留から生還した壹岐正は、第2の人生を商社マンとして生きる事を決意する。「商戦」という新たな戦いに身を投じ、戦後日本の高度成長を陰に陽に担った男を活写する、記念碑的長編。
11年という年月が想像もつかない。最初はシベリアの苛酷な状況、扱い心が苦しくなるが、全編に渡って面白い作品。緻密な取材に感服する長編シリーズ小説。
35 白鯨 /メルヴィル
本書は海洋冒険小説の枠組みに納まりきらない,法外なスケールとスタイルを誇る,象徴性に満ちあふれた「知的ごった煮」であり,およそ鯨に関することは何もかも盛り込んだ「鯨の百科全書」でもある.
巨大なクジラをめぐる冒険小説なのだが、序盤の白鯨に関する記述がとても濃く、まるでクジラの専門書。後半は海洋冒険小説となるが登場人物が活き活きとしていて魅力的。とても重厚な満足度の高い名作。
36 少女には向かない職業 / 桜庭一樹
島の夏を、美しい、とふいにあたしは思う―強くなりたいな。強くて優しい大人になりたい。力がほしい。でも、どうしたらいいのかな。これは、ふたりの少女の凄絶な“闘い”の記録。
二人は中学生なのだが、大人になった今でも共感できる場面がある青春小説。ミステリーだけど重すぎず軽すぎず小気味良く進んでいく。
37 テロリストのパラソル / 藤原伊織
ある土曜の朝、アル中のバーテン・島村は、新宿の公園で一日の最初のウイスキーを口にしていた。その時、公園に爆音が響き渡り、爆弾テロ事件が発生。死傷者五十人以上。島村は現場から逃げ出すが、指紋の付いたウイスキー瓶を残してしまう。
38 一九八四年 / ジョージ・オーウェル
〈ビッグ・ブラザー〉率いる党が支配する超全体主義的近未来。ウィンストン・スミスは、真理省記録局で歴史の改竄に従事していた。彼は奔放な美女ジュリアとの出会いを契機に、伝説的な裏切り者による反政府地下活動に惹かれるようになる。
ディストピアの代表作であり全体主義の発生について詳細に描写した小説。全員が全員を監視する社会の恐ろしさはまるで現代を予見していたようにも感じる作品。
39 アンドロイドは電気羊の夢を見るか? / フィリップ・K・ディック
第三次大戦後、放射能灰に汚された地球では生きた動物を持っているかどうかが地位の象徴になっていた。人工の電気羊しか飼えないリックは、かくて火星から逃亡した〈奴隷〉アンドロイド八人の首にかかった賞金を狙って、決死の狩りを始めた!
人とアンドロイドが共存する世界のSFだが、人間について書かれた話でもあり読み進めるうちにすんなりと作品世界を理解できるようになる。設定のみならず展開も面白い名作。
- 作者: フィリップ・K・ディック,浅倉久志
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40 百年の孤独 / ガブリエルガルシア=マルケス
蜃気楼の村マコンド。その草創、隆盛、衰退、ついには廃墟と化すまでのめくるめく百年を通じて、村の開拓者一族ブエンディア家の、一人からまた一人へと受け継がれる運命にあった底なしの孤独は、絶望と野望、苦悶と悦楽、現実と幻想、死と生、すなわち人間であることの葛藤をことごとく呑み尽しながら…。
とても重厚な100年に渡る物語。ドラマは次々バトンタッチしていく。読んでる間中惹きつけられれる他の小説とは異なる読み味の物語。とにかく壮大。
百年の孤独 (Obra de Garc´ia M´arquez)
- 作者: ガブリエルガルシア=マルケス,Gabriel Garc´ia M´arquez,鼓直
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おわりに
以上、今現在のおすすめの小説でした。こうして選んでみると脈絡がありませんがどれも読んだ時の興奮が色鮮やかによみがえって来るオススメのの作品です。
なお、最近は電子書籍が一般的になっています。私もKindleで電子書籍を購入するシーンが不言えてきました。なんといってもすぐに読めるメリットが大きいです。
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それでは良い読書ライフを!