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【PCパーツ】 何を買うべき? HDD、SSDの特徴、選び方とおすすめ 【2019年版】

パソコンにおける重要なパーツの一つに「ストレージ」がある。ストレージの役割はデータを保存しておくための装置。以前まではメインのストレージ = HDD(ハードディスク)という認識で良かったが、ここ5~10年くらいで新しい方式のストレージであるSSDが登場し普及を続けている。

ここではHDD・SSDの現在のトレンドを簡単に説明しつつ、用途別のおすすめ製品を紹介していく。説明はともかくおすすめ製品が知りたい場合は後半まで飛んでいただきたい。なお本文中の価格は記事執筆時点であることに注意していただきたい。

2019年 3月 更新

 ストレージの役割は2つ

はデータを長期的に保存しておく場所であるが、そのデータにはパソコンを動かすためのOSも含まれる。特殊な状況でない限りハードディスクからのOS起動が一般的だ。

ストレージの役割
  1. OSの起動ドライブとしての役割
  2. データの保存場所としての役割

SSDとHDDの違い

近年登場したSSDはSolid State Driveの略である。

技術的にはフラッシュメモリ、USBフラッシュメモリと動揺にメモリにデータを保存する。ハードディスクに比べて高速に読み書き保存が出来てしかも消費電力が少ないという特徴を持つ。パソコンはOS上でプログラム=アプリが動作しているわけだが、SSDの場合はそのアプリの読み込み速度も早くなる。

ハードディスクからSSDに乗り換えた場合CPUを2世代くらい早いCPUに載せ替えたような速さ」と例えられる。

省電力性は特にノートパソコンなど電池で駆動するモバイル機器において高いアドバンテージとなる。また無音であるということ、シーク音や振動が発生しないという静音性の高さも利点だ。またハードディスクのように駆動部分を持たない。

ハードディスクは文字通りディスク=が高速回転してデータを読み込む。振動、衝撃に弱く耐故障性も駆動部分の部分だけ落ちてしまう。このことはHDDの故障原因ともなる。物理的な寿命がいずれ訪れる。

HDDに対するSSDのメリット
  • 高速な読み書き性能
  • 低消費電力
  • 静音性
  • 省スペース性、耐衝撃性 
HDDに対するSSDのデメリット
  • 容量あたりの単価が高い

ではSSDを迷わず選べば良いかと言うと現状はまだ言い切れない。理由はHDDに比べて高コストである点。すなわち「容量あたりの単価が高い」ためである。容量比だけでみるとHDDの方に利点がある。

地デジTVの録画データなど長期間残しておきたい場合など沢山データを保存したい場合はHDDの方を使うほうが良い。

但しこの差は徐々に埋まりつつある。SSDの250GB、500GBと言った実用に耐えうるサイズの価格低下は著しいし、1TBクラスの大容量SSDまで登場している。

かつては容量だけで判断すれば良かったメインのストレージ選びだが、SSDの登場により多少複雑になってっきた。

今は予算と双方のメリットを勘案しながら選ぶ時代になった。

SSHD はSSDとHDDのいいとこ取り

SSDとHDDの特性から自作パソコンを組む場合などはSSDは起動ドライブ、HDDは大容量データの保存というような役割で二つ組み合わせることが主流となって来た。

  • SSD・・・ OSの起動ドライブとして使う。高頻度で使うデータを保存
  • HDD・・・ 大容量データを保存。低頻度で使うデータを保存

双方の特性を活かして、一つのドライブで使う製品も出てきている。

SSHD

従来のHDDにフラッシュメモリを搭載してキャッシュとして利用することで高速化を図るSSHDという製品だ。SSD高速化とHDDの大容量の性質を持つ、両者の中間に位置するような製品だ。

ゲームや高性能デスクトップ・アプリケーション向けにスピードと容量を実現するソリッド・ステート・ハイブリッド・ドライブ。 

これまでのHDDのように3.5インチベイや2.5インチベイに格納すること出来るし、OSなどのソフトウェアからは特別なドライバ必要なしで従来通りのHDDのように扱うことが出来るのがこのカテゴリの製品の特徴である。値段も通常のHDDより多少高い程度で常用できる価格。コストパフォーマンスは高い。

デュアルドライブ

いっぽうデュアルドライブと呼ばれる製品も存在する。HDDとSSD両方を一つのパッケージに収めたものである。

 

WD Black2 2.5inch 120GB SSD+1.0TB HDD 9.5mm Dual Drive リテールパッケージ

WD Black2 2.5inch 120GB SSD+1.0TB HDD 9.5mm Dual Drive リテールパッケージ

 

1TBの大容量ハードディスクドライブに加えて、アクセス性に優れた120GBのソリッドステートドライブをダブルで搭載。

ただしSSD自体の低価格化が進んでおり、特殊なドライバが必要でもある。価格も割高感があるので今現在積極的に導入するものでは無い。

まとめるとSSD、HDDには以下の種類がある。

  1. SSD
  2. SSHD (SSDとHDDの中間)
  3. HDD
  4. デュアルドライブ

パソコンの自作やパーツの換装時にはSSD、SSHD、HDDのなかから選ぶことになる。

HDD、SSD 接続の種類と規格

HDD、SSDはSATA規格の信号を介して接続されるのが主流だ。現在はSATA3、秒間で6ギガビット=6Gbpsの速度でデータを転送出来る。大抵のSSDはSATA3に対応している。※マザーボード側がSATA2しか対応していない古い機種の場合でも下位互換性があるのでSATA2の理論値3Gbpsを上限として利用することができる。

 サンワサプライ シリアルATA3ケーブル 0.3m TK-SATA3-03

さて、このSATA3規格であるが近年のSSDの進化により6Gbpsの転送速度がボトルネックになってしまう場合が出てきた。技術的にはもっと高速化できるが規格に制約がある状態だ。そこでSATAよりも高速動作が可能なPCI Expressを使って接続するSSDが登場している。

M.2スロットが登場

前述した通りSSDの信号伝送は「SATA3」が主流であり、SATA3の規格の壁を乗り越えてより高速さを求める場合には「PCI Express」が利用されている。

信号の伝送に使う新しいタイプのスロットとして M.2 と呼ばれる小さなカード型の規格が登場した。マザーボードに付いているスロットだ。新しいマザーボードやノートPCなどを中心に広がりを見せている。

M.2はPCI Express、SATA、USBなど様々な信号に対応したカードが存在するが主流はPCI Express接続にてSSDを搭載して高速接続する利用法だ。

M.2接続SSD

M.2 (PCI Express)接続のSSDは10Gbps~32Gbpsの非常に高速な速度を出すことが可能である。ただでさえHDDより高速なSSDをより早く利用できる。

Samsung SSD 500GB 970 EVO M.2 Type2280 PCIe3.0×4 NVMe1.3 5年保証 正規代理店保証品 MZ-V7E500B/EC
 

こちらはサムスンのM.2 SSD 「970 EVO M.2 Type2280 PCIe3.0×4」である。

2280はサイズ

2280というのは22mm ✕ 80mm というサイズを表している。手のひらサイズの小型である。性能は申し分ない。

用途別 おすすめHDD 2019年版

ここからは用途別にSSD、HDDの選び方という形でいくつか自作PC、増設パーツとしての観点でおすすめを紹介していく。

HDDの回転数

HDDを選ぶポイントとしては「容量」と「速度」が大きなポイントとなる。そして価格。速度に密接に影響してくる指標として回転数が存在する。 HDDのパーケージにrpmという単位を目にすることがある。5400rpm、7200rpm これはratio par minuteの略であり「一分間」にディスクがどれだけ回転するかを示している。回転数が多い方が多少は高速にデータの読み書きが出来る。

キャッシュサイズ

キャッシュは一時的な読み書き領域のこと。この数値が大きいほど速度が早くなる。先に紹介したSSHDはこのキャッシュに加えてフラッシュメモリ技術を搭載し高速化を図ったもの。

安く大容量 HDDを増設する

【国内代理店品】WD 内蔵HDD Blue 3.5

【国内代理店品】WD 内蔵HDD Blue 3.5" 4TB SATA(6Gb/s) 64MB 5,400rpm 2年保証 WD40EZRZ-RT2

 

単価当たりのコストパーフォーマンスと品質の両立を狙うならこちらのモデル「Western Digital 社のWD Blue 5400rpm」がおすすめ。

長らくWD Greenシリーズの名で発売されていたロングセラー製品がリブランドされ、WD Blueに統合された。

  • 500GB,1TB,2TB,3TB,4TB,5TB,6TB と豊富なラインナップ
  • 4TBは¥ 8000前後
  • SATA3 対応
  • 3.5インチ

この製品の特徴としては消費電力が少なく静音性も高い。現行品はキャッシュも64MBと十分なサイズだ。私も増設する際は第一の選択肢にしている。

 

高速性を追い求めるときは次に紹介するHDDを使う。

 高速、高耐久のHDD NAS向け

WD HDD 内蔵ハードディスク 3.5インチ 4TB WD Red Pro WD4003FFBX SATA3.0 7200rpm 256MB 5年保証

WD HDD 内蔵ハードディスク 3.5インチ 4TB WD Red Pro WD4003FFBX SATA3.0 7200rpm 256MB 5年保証

 

NAS(ネットワークストレージ)のように適度なアクセス頻度と耐故障性が要求される場合はこちらのHDDを検討しよう。

  • 7200回転
  • 64MBキャッシュ
  • 3TBは¥ 18,000
  • SATA3 対応

 最安・ドライブを一つ増やしたい場合

とにかく安価にドライブを一つ増やしたい場合は東芝の「DT01ABA100」が筆頭となる。1TBで4000円台と新品のドライブの価格としてはかなりコストパフォーマンスが高い。

品質に関してだが現行品ではコスト以外の特徴はなく、外付HDDなどの載せ替え等の場合にも7200回転なので十分な速さはある。

SSHD・速度と容量の両立を目指すなら

SSHDはSSDとHDDと中間のような製品。最初にSSHDの項で紹介した通り「Seagateの Desktop SSHD」シリーズがおすすめとなる。使用頻度の高いデータをSSD≒MLCフラッシュメモリに保存する仕組みで高速化を図っている

  • 7200回展
  • 8GBMLC搭載
  • 64MBキャッシュ
  • 5年保証
  • 2TBは¥ 9,200

価格であるが2TBで¥9200と通常のHDDとそれほど変わらない値段で販売されている。SSDは高速だが高価で容量不足その弱点を補うある程度の速度と容量を両立する本製品はメインドライブの第一の選択肢に入れても良いある意味コストパフォーマンスの高い製品だと言える。

用途別 おすすめSSD 2019年版

ここからはSSDのおすすめ製品ということでいくつか紹介していく。SSD全体の動向としてかつてのHDDの用に急速に大容量化と低価格化が進んでいる。SSDというとかなり高く「低予算PCの場合は選択肢にも入らない」という印象をお持ちの人も多いだろう。現在の主流の容量は128GB-256GBである。かつての32GB-64GBが主流だった時にはOSの起動ドライブにしても容量がギリギリで使いにくいという問題があったが、現在は解消されている。SSDも積極的に選択する時代になったと言える。

 安価に大容量のSSDを導入したい場合 

まず安価に大容量のSSDを導入したい場合はCrucial のMX500シリーズが一番。コストパフォーマンスが圧倒的に高い。

  • 500GBは¥7,000-
  • 速度と価格の両立
  • 2.5インチ

250GBと1000円程度しかかわらない圧倒的なコストパフォーマンスが特徴。正直言って速さも通常の利用であれば問題なく早い。 

高性能SSD 

SamsungのEVO といえばSSDカードのブランドとして定着してきた名称。

市場価格も手に入れやすい値段まで落ち着いてきた。

  • 5年保証
  • 500GB
  • ゲーム用途など向け
  • 2.5インチ

爆速 M.2 接続のおすすめSSD

Samsung SSD 250GB 970 EVO Plus M.2 Type2280 PCIe3.0×4 NVMe1.3 5年保証 正規代理店保証品 MZ-V7S250B/EC

Samsung SSD 250GB 970 EVO Plus M.2 Type2280 PCIe3.0×4 NVMe1.3 5年保証 正規代理店保証品 MZ-V7S250B/EC

 

 

 価格は高いが圧倒的な速度を誇るのがM.2接続のSSD。こちらはサムスンの新モデル、2019年版。

  • 読み取り速度(MB/s):3500/ 書き込み速度(MB/s):2300

通常の2.5インチSATA3接続のSSDに比べ圧倒的に早い。さらに新モデルはシーケンシャル:読み出し3,500MB/s 書き込み2,300MB/sと圧倒的な速さを誇る

読み出しは3年前に比べて160%、書込みは200%の性能アップ。M.2の進化はとても早い。最初期にM.2.SSDを導入した人も載せ替えを検討しても良いだろう。容量あたりの価格は3年前の半額になっている。

PCI Express スロット接続のSSD

 M.2スロットのSSDではなく、直接PCI Express端子に挿すタイプのSSDがこちら。

Intel Optane SSD 900P PCIe x4接続 280GBモデル SSDPED1D280GASX

Intel Optane SSD 900P PCIe x4接続 280GBモデル SSDPED1D280GASX

 

 M.2端子を持たないPCでもSATA3のボトルネックを超える速度で読み込み書き込みが出来る貴重な製品。M.2.スロットのSSDと同等に高速だ。

HDD,SSDの関連用品

最後にHDD、SSDの関連用品をチェックしたい。

SATA3 ケーブル
サンワサプライ 下L型シリアルATA3ケーブル 0.5m TK-SATA3-05SL

サンワサプライ 下L型シリアルATA3ケーブル 0.5m TK-SATA3-05SL

 

 HDD、SSDともにSATA接続の場合はケーブルも忘れずに用意しておこう。ケーブルによってはエラーが出たりすることもある。ある程度の品質のケーブルを使った方が安心だ。

2.5インチ、3.5インチ変換アダプタ

SSDの主流のサイズは2.5インチである。一方自作PCのケースはHDDを前提として3.5インチドライブベイが長らく標準として使われてきた。SSDを自作PCで利用するにはマウンタにより3.5インチベイに収まるように変換して使う。(現在は2.5インチベイを搭載したケースも一部発売されている)

Zacro のサイズ変換マウンタの特徴はL字コネクタのSATAケーブルが使える点。ケース無いの配線をスッキリっと仕上げるためにもL字ケーブル対応は有り難い限りだ。

 M.2 SSDの冷却ヒートシンク
アイネックス チップ用マルチヒートシンク HM-19A

アイネックス チップ用マルチヒートシンク HM-19A

 

ページではM.2タイプのSSDの優位性について説明してきたが、価格と対応マザー以外にももう一つ問題がある。M.2 SSDは比較的発熱が激しい。高熱によりエラーを起こすという報告もなされている。安定運用のため冷却用にこのようなチップ用のヒートシンクをつけるという手もある。ケース内の冷却、エアフローと合わせて考慮しておきたいところだ。

 M.2 PCI-Express 変換アダプタ

マザーボードによって M.2 スロットを持たなかったり、M.2スロットを持っていてもSATAと排他利用になってしまう場合がある。そのような状況でもM.2 接続のSSDを使うための用途に用意されたのが、PCI ExpressにM.2 スロットを持たせた製品。古い自作PC、マザーボードの延命に役にたつM.2スロット増設ボードである。

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